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化粧品製造における充填機の選定と活用ポイント_化粧品充填機の選定

  • 化粧品充填機の選定:多様な製品特性に対応する充填機とは?


    化粧品業界では、充填機は製造工程の要となる重要な機械です。液体や粘体、粉体、固形物など多種多様な製品が存在し、それぞれの特性に適した充填技術が求められます。また、化粧品特有のボトルデザインや粘度のバリエーションが多く、他業界よりも充填機の選定が複雑です。本記事では、化粧品充填機の選定におけるポイントや具体的な対応例をご紹介します。

    化粧品業界特有の充填機選定の課題

    他業界と比較して、化粧品業界の充填機選定にはいくつか特有の課題があります。

    1. 多様な容器形状とオリジナルデザイン
    食品や医薬品業界では、規格化された容器(例:一升瓶や規格瓶)が多用されます。しかし、化粧品業界ではブランドの個性を強調するため、完全オリジナルデザインの容器や多様な規格ボトルが使用されることが一般的です。このため、充填機はさまざまな容器に柔軟に対応できる設計が求められます。

    2. 粘度のバリエーションが広い
    化粧品は、液体からジェル、クリーム、固形状の製品まで幅広い粘度特性を持ちます。さらに、同じカテゴリでも粘度が異なる場合があり(例:増粘されたシャンプーや液体に近いジェルなど)、1台の充填機で多様な製品に対応することが理想です。

    3. 製品の特性を損なわない設計が必要
    化粧品は、見た目や質感が消費者の購入意欲を左右するため、充填機が製品の質感や構造(クリーム中の結晶など)を変質させないことが重要です。

    充填機の種類と化粧品製造への適用例

    化粧品の充填においては、充填物の性質に合わせた充填機の選定が必要です。それぞれの特徴を以下にまとめます。

    1. 液体充填機
    対象製品:化粧水、乳液、シャンプー、リンス、リキッドファンデーションなど
    特長:
    ・粘度の低い製品は下ホッパーから吸引補給が可能。
    ・粘度の高い製品(冷えたトリートメントなど)は上ホッパー設置により対応。
    適用機種:CPS、CPRVPSVPR、WBWBSRWR

    2. 粘体充填機
    対象製品:ボディクリーム、洗顔クリーム、リップグロス、マスカラなど
    特長:
    ・ 配管を最短化し、直付ノズル仕様で粘体の取り扱いを最適化。
    ・ 糸引き防止やトグロを巻かない回転脱泡充填が有効。
    ・高粘度製品向けに加温や攪拌機能を搭載可能。
    適用機種:WRWR-BF

    3. 粉体充填機
    対象製品:ベビーパウダー、パウダーファンデーション、アイシャドウなど
    特長:
    ・振動トラフ式、オーガ式、枡式、バキューム枡式充填などの手法が採用される。
    ※当社では粉体充填機を製造していないため、推奨メーカーをご紹介します。

    4. 固形物充填機
    対象製品:スクラブ入りクリーム、粒ボール入り液体製品など
    特長:
    ・固形物のダメージを最小限に抑える設計。
    ・ 食品業界(茹でたマカロニなど)での実績を活かした構造で、化粧品の結晶やスクラブの質感を保持。
    適用機種:液体・粘体対応機種全般

  • 特殊なシチュエーションへの対応

    化粧品業界では、多様な製品が求められる一方で、充填工程にも特殊な対応が必要とされるケースが増えています。この記事では、特殊なシチュエーションへの対応として「温度をかけて充填したい場合」と「真空中で充填したい場合」に焦点を当て、当社のピストン式サーボ充填機がどのように役立つのかを解説します。

    温度をかけて充填したい場合
    化粧品の中には、固形状や半固形状の状態で提供される製品も多く、それらを充填する際には適切な温度管理が必要です。例えば、以下の製品が該当します:
    口紅、溶融ファンデーション、ワックス、バーム、マスカラなど

    これらを充填するために、当社のピストン式サーボ充填機は次のような特長を備えています:
    1. ジャケット式ホッパーおよびシリンダー対応
    充填機のホッパー部分にジャケットを装備することで、充填中の温度を一定に保ちます。これにより、製品品質の均一化を実現します。
    2. ヒーティングホース対応
    ロボットでの自動充填に適したヒーティングホースを利用することで、ライン内での効率的な充填をサポートします。
    3. リターン吐出機能
    ライン停止中でもノズルの温度を一定に保つために、リターン吐出機能を搭載しています。これにより、製品の凝固や詰まりを防ぎます。
    4. 温度モニタリング対応
    ホッパーからノズルまでの温度を継続的にモニタリングするシステムを装備。温度変化による充填ミスや製品劣化を防ぎます。
    5. 攪拌・加圧対応
    製品の攪拌や練り込み、加圧をしながらジャケット式で加熱することも可能です。例えば、バームやマスカラのような高粘度製品に最適です。
    6. 容器追従充填
    製品が容器の縁に付着するのを防ぐため、容器に追従して充填する機能を搭載しています。これにより、美しい仕上がりとロスの最小化を実現します。

    真空中で充填したい場合

    化粧品の中には、空気の混入を避ける必要がある製品もあります。このようなシチュエーションでは、真空環境での充填が求められます。当社のピストン式サーボ充填機は次のような対応が可能です:

    1. 特殊な切り替えバルブ構造
    ピストン式サーボ充填機の切り替えバルブは液を完全に封止できる設計となっています。これにより、高精度な真空充填が可能です。
    2. 真空チャンバーとの組み合わせ
    この充填機を真空チャンバーと組み合わせることで、空気の混入を完全に防ぎ、真空中での高品質な充填を実現します。
    3. 容器昇降機能
    真空環境で容器を上下させる機能を搭載することで、均一な充填を可能にします。特に、高粘度製品での実績があります。
    4. シリンジへの高粘度バルク充填
    医療用や特定の化粧品用途において、シリンジ(注射器)への高粘度バルク充填にも対応。これにより、特殊な充填ニーズに柔軟に応えることができます。

    まとめ

    化粧品充填機の選定は、製品の多様性と特性を考慮した慎重な判断が求められます。容器形状、粘度、製品の特性を損なわない設計を重視し、最適な充填機を選ぶことで、生産効率と製品品質を両立することが可能です。充填機選定にお悩みの際は、ぜひご相談ください。


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